葬儀社は葬儀のことを知り尽くしたプロフェッショナルであり、葬儀の喪主となることなど、なかなかない一般の人たちにとって、とても頼れる存在です。人はいつか必ず死ぬので、私たちは一生の内、いつか必ず葬儀社の力を借りるときがきます。
高齢化社会となった日本で、葬儀社の重要性は今後も増し続けるでしょう。ただ、私たちにとって葬儀社は「葬儀の流れを取り仕切る」という漠然としたイメージしかわいてきません。そこで今回は、葬儀社がいったいどんな仕事をしているのか?そして、葬儀社の役割はどんなものなのか、についてご紹介したいと思います。彼らをよく知れば知るほど、いざという時に頼れる存在だということが分かっていただけるでしょう。
葬儀社は、地方や形態により、担当する仕事に少し違いがありますが、大きなくくりで言えば、亡くなった方の遺体の管理、そして葬儀における一連の儀式をスムースに執り行うための、さまざまなサポートをするプロフェッショナル集団です。高齢化社会を迎え、今後ますます需要の増加が見込まれる仕事です。亡くなった人を送る、そして遺族のサポートを行う、意義深い仕事です。
さて、葬儀社の仕事の内容ですが、細かく分かれていて、葬儀社から外部の専門会社に仕事を依頼することも多くあります。
葬祭ディレクター業務は、葬儀全般を取り仕切る仕事です。葬祭ディレクターという国の資格もあり、この業界に関わる人たちの知識、そして技術のレベルの指針「葬祭ディレクター技能審査」で認定されますが、実務においてこれが必要とされるわけではありません。
葬祭ディレクターは、葬儀、宗教や法律、行政手続きから遺族感情に至るまで、卓越した知識を持つことが要求されます。
葬儀の依頼を受ける葬儀社は病院や警察と提携しています。誰かが亡くなると、これら提携先から葬儀の依頼が入ります。その後、遺体を引き取り、葬儀について遺族と話し合いをします。個人から直接依頼を受ける場合ももちろんあります。
いすや食器、座布団、スリッパなど、実は「お通夜」は意外に準備しなければならないものが多いのです。
また、葬儀社のスタッフは、会場入り口で弔問客の誘導と案内を行います。また、僧侶を案内する役割もあります。お通夜は通常1~2時間程度で終わり、その後に通夜振る舞いとなります。段取りを予定通りにこなすため、葬儀社の制服「黒のスーツと白手袋」とともに腕時計はスタッフの必需品となっています。
やはり段取り・進行・あいさつ・お茶出し・お見送り
葬儀の規模にもよりますが、葬儀・告別式当日は忙しくなります。
など、さまざまな仕事を担当します。一部の仕事は外部の葬祭サービス専門業者に依頼することもあります。
その後、葬儀・告別式が終わると、
葬儀当日は、式の内容、段取りの確認をします。その後はお通夜の時と同様に、弔問客の誘導とご案内、お茶出しなどを行います。読経が始まると、スタッフの腕の見せ所となります。焼香の誘導です。葬儀の空気を壊さないよう、的確に作業することが要求されます。
葬儀をトータルで取り仕切る葬祭ディレクターの業務は、だいたいこのような感じです。ただし、宗教や宗派、地方によっても業務内容に違いがあるでしょう。また、トータルで葬儀に対応するため、「喪中のお知らせ」や「仏壇の設置」など、関連するさまざまな相談にも対応します。
しかし、葬儀が終わったからといって、葬儀社スタッフの仕事が終わるわけではありません。続いて「お通夜」が入っている場合があります。この場合はかたづけがある程度済んだら、「お通夜」の準備に入ります。礼状の準備、看板の名前や時間の書き換えなどの作業を行います。「お通夜→葬儀・告別式」の流れが続けば、毎日、同じように回っていきます。
葬儀社の業務には、次のような仕事をする人たちが関わっています。
葬儀社は葬儀を知り尽くしたプロフェッショナルであるべきです。現在、葬儀の形も多様化し、日本人の葬儀に対する要求も変化してきました。とは言え、現在、日本で行われている葬儀の90%は仏式で行われています。
しかし、たとえば肉親が突然亡くなった場合、いったい遺族に何ができるというのでしょう?一般の人間にとって、お葬式を出すということは未知の世界の出来事に感じるほど、何も知りません。だから私たちは葬儀社に頼ります。そう、私たちは葬儀社に「何とかして欲しい」と思っているのです。私たちは、葬儀のプロフェッショナルである葬儀社に、現在、置かれている状況を何とかしてほしいのです。
現在、多くの葬儀社が「心のこもったサービス」を前面に押し出してサービスを展開しています。それは間違いではありませんし、歓迎すべきものですが、まずはこれからの数日、「どうしたらいいのか」教えて欲しい、指示して欲しいのです。
葬儀社の仕事内容で触れた通り、葬儀社の仕事は「葬儀の段取り」をすることです。そして、それは喪主・遺族が求めていることでもあります。
「次はこうなります」
「その次はこうなりますが、こうすることもできます」
「この後は弔辞になります」
などなど、導いて欲しいのです。
私たち一般人の多くが、葬儀という儀式には不慣れであり、誰もが慣れたくはないと思っているでしょう。そんな葬儀を何とかして欲しい。段取りをして、実際に葬儀をスムースに進めることが、本当の葬儀社の仕事です。
葬儀においては、絶対に間違えられないことがあります。
人の名前はもちろん漢字も読み方も、両方間違えは許されません。
これは実は葬儀社で働くスタッフにとって、ひじょうに難しく、そしてシビアな課題です。
また、言葉遣いにも注意する必要があります。葬儀では、同じ言葉でも人によっては受け取り方が違うことがあります。
葬儀社は、それぞれ独自のコネクションを持って、その段取りをスムースに進めるために努力してくれます。「葬祭ディレクター」「納棺師」「生花スタッフ」… そしてさまざまなヘルプをしてくれるスタッフがひとつの葬儀に関わり、故人を送り出す手助けをしてくれます。
葬儀の仕事は、やはり特殊な仕事です。そして崇高であり、尊敬されるべき仕事です。「愛と思いやり」を肌で感じることのできる仕事でもあります。私たちには未知のことが多い葬儀関連の仕事ですが、そこには間違いなく、現代の日本で失われつつある、心と心の交流があります。
葬儀社の事業者数は、2016年現在、2291社となっています。この数は過去最高となっており、2009年の1202社から1000社以上も増えていることがわかります。最近ではインターネットを通して、葬儀社から僧侶の手配、納骨や墓じまいなど、葬儀や法事に関わる各種手配をしてくれる業者さんもあります。高齢化社会を見据えての業界参入により、競争が激化していることが容易に想像できます。